中小企業診断士の資格取得のためには、一次試験合格後、二次試験も合格する必要があります。
二次試験には事例1~4の4つがあります。
事例1~3と事例4では出題形式が違い、その結果勉強法も答案作成手順も違います。
独学なので、どうすべきかはけっこう悩み、試行錯誤しました。
事例4は財務・会計のため、計算問題などが中心となります。
今回は事例4についてご説明します。
目次
事例4の特徴
事例4は財務・会計に関連した事例です。
与件文は1ページ程度です。
事例1~3は3ページ程度にくらべるとかなり少ないです。
その分、貸借対照表や損益計算書が載っています。
財務諸表を見て、強みや弱み、課題などを洗い出す必要があります。
財務・会計の事例なので当たり前といえば当たり前ですが、計算問題が多く出ます。
経理系の仕事をしている人にとっては得点稼ぎの事例になりますが、苦手な人にとってはプレッシャーのかかる事例です。
一次試験の財務・会計でも書きましたが、練習量が重要です。
また、できれば一次試験の勉強段階から二次試験を意識しておいたほうがよいです。
事例4設問の傾向
事例4ですが、1問目は毎年ほぼ同じ形式の問題です。
まず財務諸表から強み弱みを問われる問題が出ます。
ある意味、1問目は特典が稼ぎやすいかもしれません。
2問目以降は以下のような何かしらの計算がだいたいでます。
- 損益分岐点に関する問題
- 投資の評価に関する問題
- 企業価値評価の問題
ただし、最後の問題は、財務・会計以外から出ることもあります。
私が合格した2014年度は為替取引に関する設問でしたが、法務的な設問や情報システム関連の設問のときもあります。
筆者の答案作成手順
- 与件文を読む
- 気になったキーワードに鉛筆で線を引く
- キーワードから強み弱みを把握する
- キーワードが収益性、効率性、安全性のどれに関係するか意識する
- 設問文をざっと読み、各設問の難易度を把握する
- 設問1を読み直す(基本的には財務諸表の分析問題のはず)
- 財務諸表から各種指標(利益率や自己資本比率など)を計算
- 与件文のキーワードと照らし合わせて利用する指標を洗い出す
- 1問目を解く
- 2問目以降は簡単そうな問題から解く(数字で答える問題より、理由を書くような文章問題を重視する)
与件文が重要
事例1は事例1~3とは出題形式は違うものの、与件文は重要です。
※重要性は他にくらべるとやや低いですが。
特に設問1で出題されるであろう財務諸表の指標のうち、どれを使うかのヒントは与件文にあります。
また、設問1は、指標の数字だけでなくその理由も書く必要がある場合が多いです。
また、設問1以降の設問でも数字だけでなく、理由も併せて述べるような問題もよく出ます。
そこでは与件文の内容が重要になってくる事が多いです。
ですので、与件文を見る前から、まず財務諸表の分析から始める人もいますが、与件文は先に読んだほうがよいと思います。
解答順について
事例4は計算問題が多く出ます。
すぐに回答法が思い浮かばない問題は後回しにしたほうがよいです。
まずは足きりにならないことが重要です。
難問に時間をとられるよりも答え安い設問から答えたほうがよいです。
設問1の財務諸表分析は比較的点数が取りやすいのでじっくりやり、それ以降は解きやすい問題を選択するのがよいと思います。
解きやすい問題は、結局自分がと言えてきた練習量で決まります。
繰り返し過去問や練習問題を解いて、なるべく多くの問題になれておきましょう。
あきらめない
事例4を苦手としている人は多いです。
私もその一人でした。
繰り返し問題を解き、ある程度の対処できるようにしたつもりでしたが、実際の二次試験では解答法が分からない問題がありました。
また、解答法が分かった設問でも、計算間違いがあり大失敗しました。
試験特有の雰囲気で、冷静な判断ができなかったのだと思います。
正直、落ちたと思いました。
合格発表までの約1か月は落ち込んでました。
でも、合格しました。
合格発表のサイトに自分の受験番号を見つけたときは、本当にうれしかったです。
回答欄に計算過程を設問が出るときがあります。
この設問が出たらラッキーと思ってください。
計算結果が間違っていたとしても、部分点がとれているかもしれないのです。
私はそこで部分点がとれたのではないかと思っています。
事例4を苦手としている人も、あきらめず自分のできることをやることで合格を勝ち取ることができるのです。